プットの買いの考え方
「相場下落したとしても○○の水準までは行かない だろう」という消極的な想定のもとに仕掛けるのがプットの売りです。
例えば今、2008年5月現在、
日経225が、13000円だとしまして、
このときの9月限の権利行使価格13000円の
プットのプレミアムは1枚100円とします。
この状態の時に「9月限、14000円のプット」を売ったとします。
なぜ、そのようにしたかと言いますと、
それは、
「2008年9月第2金曜日(特別清算価格算出日)までに、
日経225は14000円まで下がらないだろう」
という予想をしたからです。
つまり、この場合は、以下の心理が働いているのであります。
「日経225は、2008年5月現在14000円の価値がついている。
しかし、2008年9月第2金曜日までに、14000円まで
下がることはないだろう。もしくは、横ばい、上昇するだろう。
それなら、日経225を14000円で買う権利を売って
その代金(プレミアム)を先に手に入れよう。
なぜなら、
日経225を14000円で買える権利を手に入れても(=買っても)
14000円を超えることはないであろうから、意味がないからだ。」
という心理が働いているのです。
プットの売りの実際
さて、オプションのプットの売りについて例を挙げて説明します。
オプションや日経225オプションのプットの売りでは、
株価などの原資産(株価など)の上昇に伴いプレミアム
が、下がること、または、
オプション取引の実践において非常に重要な数字でありまして、
「将来の変動率に関する市場の予想」を示す
IV(インプライド・ボラティリティ)の
減少に伴いプレミアムが下がることで、利益が生まれます。
大きく分けてまして、以下の例のような、
満期前に決済するパターンと、満期日まで保有するパターンがあります。
プットの売り〜例1 満期前にオプションを売却した場合(基本例)
例1では、
9月限、権利行使価格14000円のプットを
400円のプレミアム(=オプション価格)で売り建てたとします。
(多くの場合、この例のように満期前に精算します。)
この場合は、9月の満期日までに日経225を14000円で
売りつける権利を400円で売り建てたことと同じ意味となります。
そして、仮に、日経225が、プットを売り建てた後に上昇し、
プレミアムが、400円から300円に値下がりした時点で、
400円で売ったプットの権利300円で買い戻したとします。
このときの利益は、400円−300円=100円の利益
(売買手数料は除く)になります。
(実際の金額はこれに取引単位当たりの数量(倍率)を掛けます。
日経225は倍率が、1000倍なので
100円×1000倍=10万円となります。)
逆に、日経225が上がらず、 プットを売った後に値下がり、
プットのプレミアムが500円に値上がったとします。
この時点で、400円で買ったプットを500円で買い戻したとします。
このとき、400円−500円=−100円で、
100円の損失(売買手数料は除きます)になります。
(実際の金額はこれに取引単位当たりの数量(倍率)を掛けます。
日経225は倍率が、1000倍なので
−100円×1000倍=−10万円となります。
プットの売り〜例2 満期日まで保有した場合
例2では、極端な例ですが、
9月限、権利行使価格14000円のプットを
400円のプレミアム(=オプション価格)で売り立てたとします。
そして、仮に、日経225が、
プット購人後に15000円に上昇し、 満期日を迎えたとします。
このときの利益は、すでに受け取ったプレミアム400円となります。
(売買手数料は除く)
(実際の金額はこれに取引単位当たりの数量(倍率)を掛けます。
日経225は倍率が、1000倍なので
400円×1000倍=40万円となります。
反対に、日経225が13000円に下落して満期日を迎えたとします。
そうなりますと、13000円−14000円=−1000円の差額に なりまして、−1000円の損失となりますあ、実際は、先にプレミアム として400円をもらっているので、−1000円+400=600円と なりまして、600円の損失になります。