「オプション」とは「権利」である
「オプション」という言葉は、
英語で「option」でして、「選択・権利」という意味です。
したがって、「権利を取引する」
「権利を売ったり買ったりする」のが、「オプション取引」となります。
この「権利」は、
「あらかじめ約束した数量の日経 225などの「原資産」を、
あらかじめ約束された価格で、 あらかじめ約束された
期日までに買う、または売る」権利です。
つまり、
オプション取引とは、「買う、または売る権利」を売買しているのです。
オプションを購入した場合、買い手は、義務ではないですが、
この「権利」を所有することになります。
これは約束事(契約)であります。
そして、「日経225オプション」のほかにも、
オプション取引には、「原資産(原市場)」が、先物であったり、
個々の銘柄であったりするだけで、原理が、同じな、
「先物オプション」や「個別株オプション」が存在します。
オプション取引は権利を売買する行為でありますので、
「日経225オプション取引」とは、
「約束した数量の日経225を、約束された価格で、約束
された期日までに買う、または売る権利」を取引(売買)
することにほかなりません。
オプションと保険
この、「プレミアム」は、生命保険や損害保険の保険料も
そう呼ばれているのですが、これも元の意味は同じです。
さて、ここで、自動車保険で例をとりもっとわかりやすく解説しましょう。
自動車保険は1年間の掛け捨ての保険で、無事故であった場合は
支払った保険料は戻りませんが、
万一事故が起こった場合には多額の保険金が支払われます。
この仕組みはプット・オプションの仕組みそのものです・「事故」を
「暴落」という言葉に置き換えてみてください。
プット・オプションでは一定の期間内に万一暴落があった場合には
保険金が支払われ、暴落が起きなければ保険料にあたるプレミアム
(オプションの対価)は戻りません。
つまり、プット・オプションを買うということは、株価の下落に対して
保険に加入するということにほかなりません。
他方、株価の上昇に対する保険がコール・オプションです。
オプションの買い手を保険加入者とすれば、
オプションの売り手にあたるのは保険会社ということになります。
プット・オプションの売り手は、もし株価が下落した場合には保険金を
支払わなければなりませんが、株価が下落しなかったときは
プット・オプションの買い手が払った保険料が利益となります。
コール・オプションの売り手も株価の上昇があれば保険金を
支払わなければなりませんが、
株価の上昇がなければ受け取ったプレミアムが利益となります。
つまり、「日経225オプション取引」は、
日経平均が大きく動くことに賭ける「買い方」と、
その賭け金を受け取って利益とする「売り方」による相対取引です。
賭け金を支払った「買い方」は、狙ったように日経平均が動かなければ、
その賭け金が失われることになり、逆にもし狙った以上のことが起きたら、
「売り方」はその程度に応じていくらでも支払う義務を負っています。
ですから、オプションの売り手は証拠金を差し入れなければなりません。
これは株式相場が大きく変動した際にオプションの売り手は保険金を支払わ
なければならないので、その支払い能力があることを保証するためです。
保険会社が万一の災害時に保険金を支払うという信用があるのに比べ、
オプションの売り手はオプション市場においてどこの誰かも不明であり、
買い手に対して信用もありませんので証拠金を差し入れるのです。